CROSS TALK 特別対談企画 Vol.1

中国銀行
頭取
加藤 貞則

岡山土地倉庫
会長
末長 範彦

地域とともに歩んできた
90年を振り返る。

岡山土地倉庫と深いご縁のある中国銀行で第10代頭取を務める加藤貞則様をお迎えし、
末長範彦会長と語り合っていただきました。創立からこれまでの歩みを振り返り、未来を見つめます。
(対談日:2025年4月30日)

MEMBER

株式会社中国銀行

加藤貞則様の写真

第10代取締役頭取
加藤貞則 様

  • 1957年(昭和32年)
    岡山県に生まれる
  • 1981年(昭和56年)
    (株)中国銀行 入行
  • 2015年(平成27年)
    (株)中国銀行
    常務取締役
  • 2017年(平成29年)
    (株)中国銀行
    専務取締役
  • 2019年(令和元年)
    (株)中国銀行
    取締役頭取(現職)
  • 2022年(令和4年)
    (株)ちゅうぎん
    フィナンシャルグループ取締役社長(現職)

岡山土地倉庫株式会社

末長範彦の写真

代表取締役会長
末長 範彦

  • 1946年(昭和21年)
    岡山県に生まれる
  • 1969年(昭和44年)
    トヨタ自動車販売
    (株) 入社
  • 1971年(昭和46年)
    岡山トヨペット(株)
    取締役総務部長
  • 1973年(昭和48年)
    岡山土地倉庫(株)
    常務取締役
  • 1977年(昭和52年)
    岡山土地倉庫(株)
    取締役社長
  • 2017年(平成29年)
    岡山土地倉庫(株)
    取締役会長(現職)

中国銀行との強い絆での出発

末長会長対談写真
加藤頭取対談写真
末長会長
このたびは対談をお引き受けいただき、誠にありがとうございます。創立90周年の節目に、弊社とゆかりの深い中国銀行さんとぜひお話をさせていただきたいと思い、お願いした次第です。
加藤頭取
たいへん光栄でございます。岡山土地倉庫さんは、もともと中国銀行の子会社としてスタートされたんですよね。中国銀行ができたのは昭和5年。その5年後の昭和10年に、岡山土地倉庫さんが創立されています。
末長会長
はい、祖父の末長勢一は当時、倉敷紡績に勤めていました。倉敷紡績の社長であり、中国銀行の頭取でもあった大原孫三郎氏が、勢一を岡山土地倉庫の社長に任命したそうです。
加藤頭取
残っている記録を見ますと、戦後、昭和23年まで岡山土地倉庫さんの事務所が中国銀行本店の中にあったそうですね。
末長会長
そうだったんです。それからしばらくして、中国銀行の子会社から独立しました。
加藤頭取
岡山土地倉庫さんには現在私どもの株主として支えて頂いてますが、歴史的にも強い絆で結ばれているんだなと感じます。末長会長が入社されたのは昭和46年だそうですね。
末長会長
祖父が他界したことで岡山に戻ることになり、まずはグループ会社の岡山トヨペットに入社しました。25歳のときです。2代目を継いだ父・正三もその2年後に亡くなりまして、私がグループ各社の社長を継ぐことになったのです。
加藤頭取
それは急なことでしたね。
末長会長
ただ、岡山土地倉庫の社長職だけはすぐには難しいということで、当時、三井造船の顧問を務めていた宮崎定一さんをお迎えし、社長を継いでいただきました。そして4年後の昭和52年に私が社長に就任しました。ですから私は4代目ということになります。
加藤頭取
それでもまだお若いときですよね。
末長会長
岡山土地倉庫の社長になったのが31歳ですね。
加藤頭取
当時はどのようなお気持ちでしたか。
末長会長
入社前はトヨタ自動車販売に勤めていたのでクルマのことは分かりますが、倉庫業は未経験、そして経営者としても初めて。それでも若かったからか「怖いものなし」という心境でしたね。とにかく精一杯やるだけで、不安というのは特になかったように思います。

経営者は「変化対応業」

加藤頭取対談写真
末長会長対談写真
加藤頭取
ご入社のあと、オイルショックが起きていますよね。お若いときに、たいへんな時代を乗り越えてこられたのではないかと思います。
末長会長
当時、「これは逆にチャンスだ」と思いました。もちろん経験は大事ですが、環境が大きく変わったときに、かえって古い常識が足かせになることもあります。過去にとらわれることなく変化に対応できるのは自分の強みだと考えて、経営に取り組みました。それ以来、「経営者の仕事は“変化対応業”である」という信念を持つようになりました。
加藤頭取
ダーウィンが言ったという「生き残るのは強い者でも、賢い者でもなく、変化できる者である」という言葉を聞いたことがありますが、いまおっしゃった「変化対応業」という考え方に通じるものがあるように思います。
末長会長
いかに変わるべきときに変わっていくかを考えてきました。前例を踏襲するばかりでは進歩がなく、衰退してしまうと。
加藤頭取
岡山土地倉庫さんは長年にわたり堅実な経営をなさっている一方で、時代の流れの中で柔軟に変化を遂げています。31歳でトップに立たれ、その若さを強みとしながら変革を続けてこられたのですね。
末長会長
岡山という土地の特性にも助けられました。倉庫業にとっては非常に恵まれた地域です。
加藤頭取
東西と南北を結ぶ交通の結節点ということですね。よく私どもも外部の方に岡山の強みを話すときに、交通アクセスに恵まれた立地であるということを言います。だから倉庫業・物流業にとって有利だと。岡山土地倉庫さんはまさしくその中心にあって、業界を牽引してこられたという印象があります。
末長会長
倉庫業を専業で営む会社はだんだんと少なくなってきてはいますね。
加藤頭取
ますます御社の存在感が強まりますね。「岡山からクルマで4時間」の圏内を見ますと、中四国はもちろん、北九州から近畿エリアまでがすっぽり入ります。岡山は倉庫を構えるのに理想的な場所なんだなと感じますね。
末長会長
はい、さらに追い風となっているのが令和6年の法改正です。運送ドライバーの時間外労働時間に上限が設けられたことで、岡山は物流の中継地として今まで以上に有利になりました。
加藤頭取
人の暮らしにとってモノを動かすという仕事はなくてはならないですから、やり方はいろいろと変わっていくのでしょうけど、御社の事業の重要性、存在価値はこれからも変わらないと思っています。
末長会長
ありがとうございます。

地域になくてはならない存在として

末長会長対談写真
加藤頭取対談写真
加藤頭取
90周年の先には100周年があり、さらにそれ以上の未来があります。倉庫業という分野でこれからも変革を重ね、前進していかれることと思います。また、岡山土地倉庫さんは私どもの株主様でもありますので、しっかりご指導いただき、また応援していただければと思っています。
末長会長
銀行はお金の動きを見ていらっしゃいますが、私たちにはモノの動きが見えますので、その両者の視点を踏まえたお話ができるのではないかと思います。
加藤頭取
おっしゃるとおりで、モノの動きをしっかり見ておられる岡山土地倉庫さんの視点は、私どもにとっても重要だと感じています。共に発展していけるような将来を期待しています。
末長会長
ありがとうございます。たいへん励みになります。
加藤頭取
私たちの目指すところはやはり地域の発展であり、お客様の暮らしを支えていきたいという思いがありますが、そこは岡山土地倉庫さんも同じだと思うんですね。
末長会長
そう思います。事業の内容は違いますが、地域になくてはならない存在として力を発揮していくというのが、我々に共通する使命なのだろうと思います。
加藤頭取
あらためまして、創立90周年をお迎えになられた岡山土地倉庫さんに、心よりお祝い申し上げます。
末長会長
ありがとうございます。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
向かい合い座る末長会長と加藤頭取の写真。